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文章屋Y.S.のよしなしごと日記、音楽映画書評など

東京事変ライブ DOMESTIC!

 ライブには久しぶりに行った。田舎暮らしは悪くなかったが、音楽好きの私としては、FMが入らないのとライブに行けないのはけっこう苦痛だった。去年は無理やり仕事を休んで、夜行バス往復で強引に出かけたよな……。

 このところの日本のアーチストでは、私のイチオシは椎名林檎である。まあ、本音を言うと「無罪」や「勝訴」の頃にライブに行きたかったが……。あの二枚は日本のロック・ポップス史に残る名盤である。その後のソロワークとしては「カルキ・サーメン……」があるが、あれは完成度は確かにすごいと言えるが、楽しいロックテイストに欠けて、好き嫌いで言えば私としてはイマイチである。まあ椎名林檎くらいの才能があれば、こういうこともしてみたかったんだろうな、このままこういう路線に行って欲しくないな、というのが本音だった。
 その点、東京事変結成、「バンド」としての林檎姫の活動は、私としては、非常に嬉しい展開だったのである。確かに、「無罪」「勝訴」のように、ほとんどどの曲でもシングルカットできるじゃん、というようなインパクトのある曲は見られない。ただ、「次々に忘れられていくような曲作りがしたい」というようなことを、私の勘違いでなければ林檎姫自身が言っていたのである。これは、自らの音楽を卑下しているのではない。むしろ、「商業美術」の何たるかをよく知り、その価値を知る都会的感性の鋭敏さがあればこその言葉なのである。歴史に残る名作だけが優れたアートではない。その時その時、人を夢中にさせ、一年もたてば忘れ去られているようなアートこそ、強く輝いてはかなく消える流星のような価値を持ち得るのである。絵画、服飾、音楽、映画などの中でも、商業と強く結びついたものづくりをしている人たちは、このような価値観を重んじプライドを持って「消え行くアート」に取り組んでいるのではないだろうか。

 ライブに話を戻す。
 東京事変のライブは二度目だが、内容は期待通りで、鳥肌が立ち心沸き立つ素晴らしいステージだった。ニューアルバムの中で私が一番気に入っていた「ブラックアウト」も、最高のライブアクトで演じてくれて大満足である。前回もそうだったが、アルバムやシングルで出していない曲を、ファンサービス兼宣伝で演るのも恒例らしく、「ミラーボール(間違ってるかも)」という未発表曲と、何とバービーボーイズのコピー(林檎姫はカバーでなく「コピー」と言っていた気がする)で、「C'm'on Let's go!」を演ってくれた。「C'm'on Let's go!」はノリノリで最高。どっかで録音してたらぜひライブアルバムにでも入れて欲しい。
 前回も感じたが、林檎姫の「音作り」へのこだわりは半端ではない。ギターの音や全体のミキシングのバランス、ボーカルや他のサウンドとの掛け合いがもたらす盛り上がりなど、その神経の細かさは並大抵ではない。
 よく言われることだが、「ロックはどこかが破綻していなければロックじゃない」「既成概念の『破壊者』でなければロックンローラーではない」。とすれば神経質なこだわりでサウンドの完成度を高めようとすればするほどロックから遠ざかるのではないか、という疑問が生まれる。しかし、最もラジカルな『破壊者』であったかに思われるジミ・ヘンドリックスの、「オタク」「偏執狂」とも言えるほどの異常な音へのこだわりはよく知られている。今はシンセでも何でも出せる「キーン」というような音だが、ジミヘンはアンプとギターをどのくらい近づければ自分好みの「ノイズ」が出るかまで計算した上で、ステージで音を生み出していたのである。また優れた完成度を誇る楽曲を次々に生み出した奇跡のバンド、ビートルズも、初期のマスコミの扱いは「感化院の音楽」であった(「感化院」自体はプレスリーへの言葉だったかもしれないが、眉をひそめ軽蔑の態度で扱われていたことは確か。ちなみに「感化院」は少年院とか鑑別所とか児童自立支援施設だとかwと思ってもらえばいい)。
 ようは破壊といっても闇雲に暴れていれば若者の心を捉えるというものではなく、優れたアートはやはり心身をすり減らすこだわりからしか生まれないということだろう。その心身をすり減らす活動を「瞬く間に消える」ものに注ぐのって素晴らしく美しいと思うのだが、それは私だけだろうか。

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医療保険制度の行く末

 高齢者医療の負担増を軸とする医療保険制度改革案が、自民公明の賛成で衆院を通過した。
 高齢者でも一定の所得があれば普通の勤労世帯並みの負担を求めることについては、全く異存がない。かつて高齢者の自己負担がゼロだった頃、病院の待合室が老人のサロンと化しているのは、自分が初めて納税者となった頃、極めて不快だった思い出がある。
 
 今や、当初世帯主の自己負担がゼロだった世界に類を見ない医療福祉システムは見る影もなく、「これが保険か」と思える三割負担が当たり前になった。保険財政を圧迫したのは高齢者医療費だ。ここにメスを入れなければ財政を立て直すのは不可能だろう。
 現状においても、低所得、いわゆる生活保護が認定される世帯においては医療費は自己負担ゼロだ。無論高齢者もここに当てはまる低所得であれば自己負担はゼロになる。この自己負担ゼロ自体、私には疑問だ。せめて5%の自己負担とし、上限を設けて(月5000円とか)それを超えたらその上は自己負担ゼロにする方がよいと思う。
 何にせよゼロはよくない。ゼロだと、医者が余分な薬を処方しても、無駄な検査を進めてもハイハイと受け入れるだろう。これが一番よくないのだ。
 
 ありがちな言い回しだが、財政難を増税で解決するのは小学生でもできる。医療費においても、もっと他の問題点を解決しなかったら、負担ばかり増える層は不満がたまるばかりだ。
 医師や看護師の知人が何人かいるが、小児科医と産婦人科医のなり手の減少が大きな問題らしい。一方で精神科医と歯科医は増える一方。小児科医の苛烈な業務、産婦人科医の抱えるリスク。これらを支える何らかの方策が必要だ。小児科の診療報酬を単に上げれば、それは子を持つ世帯に負担増を強いてますます少子化に拍車をかけることになるから、単純にそうするわけにはいかない。どういう名目でかわからないが、小児科医と子を持つ世帯両方に手厚い予算の投入はできないものか。
 産婦人科については米国では子どもが死ぬたびに訴訟を起こされるので、産婦人科医はそのための保険に入っているが、いい加減なんのために医者をやってるかわからない程コストがかかるため、なり手は激減している。日本でも九州のどこかでその手の訴えがあったらしいが、おめでたい警察がせっかく医療僻地で産科医を営んでいた医師を逮捕して大問題になっている。訴訟を抑制することも大事だし、万一の訴訟費用に関わる基金のようなものも必要かもしれない。
 一方、国際的にみれば薬とみなされないような薬が日本全国で無駄に処方され、無用な検査も繰り返される。ジェネリック医薬品もいっこうに浸透しない。ここら辺にメスを入れることは、医療費の抑制にかなりプラスになりそうだが、製薬業界が厚労省に食い込んでいるためか、あまりそうした動きは聞かない。

 どうにか、国民皆保険、健保本人二割。このくらいの水準に戻せないだろうか。働き盛りの子持ちの家庭が一番楽になるような改革を望む。
 貧困から保険証を返還した世帯云々のニュースを見たが、本気の貧困になれば医療費の自己負担はゼロになるし、収入状況からの保険料減免の申請も可能のはずだ。現状において無保険は自分の選択だから、それで野たれ死ぬのは仕方がない。ただ、子どもがいる家の場合は問題だ。無保険だから子どもが熱を出しても医者にかかりませんでした、死んでしまいました、とかが頻発するようだと、およそ先進国を名乗るのは恥ずかしい。これは児童虐待の問題などとからんで、地域社会が家族を孤立させず、間違いなく日本で生を受けた子どもが、戸籍も得られず消えていくような例を、できる限り根絶する努力が必要と思う。難しい問題ではあるが、いくつかのニュースにおいては「こんなになるまでに何とかなったはず」と思えたものが少なくなかった。過去の失敗に学ぶことで、世の中少しはましになるだろう。

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ネットを中心として活動する文章屋です。最近はiPhoneにはまってます。

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